2001.2.1 (Thu)
▼う〜 [culture]
今日もまた疲れておる。老年を意識してしまうぞ。
それに眠い。しかしお腹はすごく減っている。
実は日記を書いている場合などではない。
街を歩いていてこんな状態になると、近くのコンビニでスニッカーズを買ってバクバク食いながら歩いたり、あんパン買って電車の中で食べたりするんだけど、これってマナー違反らしい。
NHK の「クローズアップ現代」を見ていたら、大人が「最近の若者はなっとらん」と思う一方、若者の方では「いいじゃん」と思ってるマナー違反の例に、電車の車内で飲んだり食ったりするというのが出てきた。「いくら人に迷惑をかけないからといって」電車の車内で飲んだり食ったりしてはいけないそうだ。そうか、これっていけないと思われてるのか。でもって、私は(少なくとも局所的には)若かったのか。
そりゃそうと、年の暮れの遅い時間の電車に乗ると、忘年会でヘロンヘロンになったサラリーマンがいっぱい乗ってるけど、あれは確実に人に迷惑をかけているわりには、マナー違反ということにはなっていない。っていうか、それを咎め立てしてもしょうがないものだと思われている。
これってアンフェアである。
というわけで今年の年末からは、お腹を空かして電車に乗る時には、まずはお酒を飲んだ上であんパンを買い、電車に乗り込んだ後、酔った勢いであんパン食ってる、という風情を装うことにしようと決めたのだった。
2001.2.3 (Sat)
▼ ふ〜っ [etc]
作成を依頼されていたビジネスプレゼンを電子メールで送った。引き続きやるべきことはあるはずなんだけど、もうこれから何もやる気がしない。というわけで、今日こそ「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観るぞ。
と、心に決めた瞬間にケータイが鳴った。何、いきなり変更・修正依頼?しかも電話でくるからには、全面的に変えろとかいう話?ぐげ、またしても「ダンサー・イン・ザ・ダーク」延期かよ〜っ。と思いながらも、できるだけ元気に電話に出ると、
「もしもし、こちらは斉藤と申しますが...」
すごく丁寧な年配の女性の声が聞こえてきた。「斉藤」さんって誰よ?ひょっとして「ねじまき鳥クロニクル」的展開になる類の電話か?まさかね。ロッシーニも聴いてないし。
いろんな考えがグルグル廻る。
「何たら料金が滞納です」系列かなあ?でも、いきなり名前は名乗らないだろう。そりゃそうと、すぐにそっちの方向に連想がいってしまうのはすごく情けないよなあ。ついこの間、NTT から「〜日までに払わないと電話が止まります」コールをもらったのだ。で、それを払って一安心と思っていたら、その翌々日にケータイが止まった。NTT と違って Do[etc]o[etc]o は不言実行なのである。でも、「電話もメールも来ないなんて、すごく平穏でいいなあ」とだけ思って、その事実に二日間気が付かなかったのはもっと情けない。
「そちらに斉藤はおりますでしょうか?」
って聞いてくるから、一瞬「あ、この人はたぶん隣の部屋に住んでる斉藤さんのところに間違えてかけたんだな」と思ってしまった私はよっぽど疲れていたに違いない(ということにしたい)。
でもケータイに電話かけてきて、「そちらに」はないだろうと考えて、ようやくこれが間違い電話だと気が付いた。かけた番号を尋ねてみると、やっぱり間違っていた。
それにしても、誰だか知らない斉藤さんが話そうとしていたもう一人の斉藤さんってどんな人だろう?斉藤さんの旦那さん?または娘、あるいは息子?
きっと斉藤さんは、娘さんである斉藤さんに電話をかけたのだ。
で、聞いたことのない男の声が聞こえてきたので、不信感を抱きながらも丁寧な口調で話そうと努力していたのである。だから、そんな斉藤(母)の口調が、私には「何たら料金が滞納です」的に響くことになったのだ(ということにしたい)。
何もかもがスッキリと明確になったところで、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観に行って、さらにスッキリとすることにしよう。
▼ 渋谷を歩いていたら金城武がいた [etc]
背が高くてカッコいい。すごいもんだ。
でも、GEOS で英語を勉強する気にはならない。
仕事の関係で2〜3時間ぶっ続けで英語のケンカをやらないといけなかったのでヒローコンパイの極。もう一言もしゃべりたくない。
寝よ。
2001.2.4 (Sun)
▼ さて [cinema]
ここで問題です。実はこの世には一人だけホンモノの妖精がいます。それは誰でしょう?
と聞かれたら、間違いなくビヨークと答えるだろうなあ。みのもんたがどんだけプレッシャーをかけてきても、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見終わった今、とにかくこれがファイナルアンサーだ。
2001.2.5 (Mon)
▼ 2〜3日前 [etc]
渋谷のマークシティから道玄坂に抜けようと、JR 側からのエレベータでスターバックスの手前に出たら、模擬店みたいなものをこしらえていた。
ここに模擬店を出して興味を引いとかないと、この先のお店は客が入らないのか。賑わっているようでいて、やっぱりこの不景気、けっこうタイヘンなのだな。でも、この先のお店はほとんどがしっかり食事する系の飲食店だけど、模擬店で何を売ろうというのだろう?
とか何とか思っていたら、今日、道玄坂側からマークシティを抜け、東横線側に出ようとスターバックスの前を通った時に、この模擬店はバレンタイン・デー特設コーナーだったことが判明した。
そ〜か、そういう時期なのか。そうだよな。
聖バレンタインだろうが、アッシジの聖フランチェスコだろうが、私にとってはすでにとんでもなく昔の、そしてはるかに遠いところの話なのだ。
2001.2.6 (Tue)
▼ 今日の昼間 [etc]
昔勤めていた会社の本社人事部から、仕事の最中に電話がかかってきた。
会社の金を競走馬購入に流用した覚えもなければ、退社してからこんだけ時間が経った後で莫大な損害を与えられるような仕事はしたことがなかったので、さては「ねじまき鳥」系の...(もういいか)
しかし、何で私のケータイの番号を知っているのだ?
恐る恐る話を聞いてみると、「予備校の頃の友人と名乗る人」が「執拗に」連絡先を教えてくれと言ってきたらしい。聞いてみるとたしかに予備校時代の友人だ。で、この人事担当者は、私の実家にコンタクトし、このケータイの番号を入手。その後、私に電話をかけているわけで、なかなかご苦労なことである。
しかし、音信不通だったあの友達が何故に今頃になって執拗に連絡先を知ろうとするのだろう?
人事部に教えてもらった彼の連絡先に電話してみると、彼のお母さんとおぼしき人が出てきた。実家の番号だったのか。で、今日は何時頃戻ってくるかわからないという。とりあえず、こちらの番号を連絡し、帰ってきたら連絡して欲しい旨を伝える。(結局、午前1時になろうとする今に至るまで、彼からの連絡はない。あいつは「執拗に」連絡先を聞いてきたんじゃなかったのか?)
で、それから約8時間後、仕事を終えて、渋谷は東急本店前のスターバックスで珈琲を飲もうとレジの前に並んでいたら、大学卒業前に会ったきりの友人が目の前に立っている。
今日は「温故知新」の日ってわけか(言葉の使い方がぜんぜん違ってるみたいだけど気にしないのだ)。
一時間ちょっと話し込んで、駅に向かう。井の頭線の彼と別れ、東横線のホームを目指して歩く。ひょっとすると電車の中でまたしても昔なつかしな人に会うのではあるまいかと思ったけど、すごい混んでいて、とうてい「や〜久しぶり」な状況ではない。
が、部屋にたどりついてみると手紙が来ておるではないか。
「ガス料金お支払いのお願い。」ぐへ〜、まだ払ってないのがあったのか。渋谷はスターバックスの懐かし話の余韻がいっぺんで吹っ飛んだ。
2001.2.7 (Wed)
▼ なんだか [etc]
私は「コンサルタント」になるらしい。自分のことで「らしい」というのもヘンだけど。どうやらそんなことになりそうなのだ。
以前、一年ほどの間いっしょに仕事をしたことのあるワシントンDCのビジネス・コンサルタントであるトムからeメール&電話があったのが一週間ほど前。日本企業を相手にアメリカでのマーケティング・コンサルティングをやってるらしいんだけど、長引く不況のあおりを受けて、最近はなかなかタイヘンらしい。で、「mutual benefits」を生み出せる形で何かやってもらえないか、と言ってきた。ついてはトムが東京にやってくる今度の日曜日に食事しよう、てな話になった。
すると、数日の間に提出済みの提案書やら何やらが、案件の経緯についての説明付きでメールされてきて、今朝は「こんな感じで名刺を作れ」と、名刺フォーマットの添付されたメールが届いた。
何事もやることが早いねえ。
名刺の肩書きは、彼のコンサルティング会社の「コンサルタント」にしようと言う。何かもっと「ファンシー」な肩書きを考えつくまでは、とりあえず「コンサルタント」なのだそうだ。でも、これより「ファンシー」な肩書きってどんなんだろう?
まあそんなわけで、「コンサルタント」になることで事が運んでしまった。「コンサルタント」って、何となく「すごく仕事ができる」とか「頭がきれる」とかいった印象があるので、こんないい加減なことでいいのだろうか?と思ったりもするけど、ビジネス・コンサルタントがそう言うのだから、誰が何と言っても私はコンサルタントなのである。
で、具体的に何をやるんだろう?今朝、アメリカの大学院に出す出願書の「Statement of Purpose」の書き方を聞いてきた友人がいたので、とりあえずは US$ 200 くらいの請求書を出すことにしよう。
今や私はコンサルタントなのだから。
▼ ガス代を払った上は [etc]
もう私にはやましいところは何もないぞ。と、気分爽快に道を歩いていたら、スポーツクラブから一人のおじいさんが出てきた。
すげえカッコいい。
下駄をはいて、すぼまった裾の部分が足首まである黒のニッカーボッカーみたいなやつ(って、要は左官さんパンツである)、薄目の鶯色に白の格子が混じった着物(風のジャケットなのかな?)の上からミッドナイトブルーのヴェストを羽織っている。ヴェストのポケットの上下には濃いめの黄と赤のライニング。
オン・トップ・オブ・ザット...
頭には(なんと)カンカン帽なのだ。
と、自分の書いた描写を虚心坦懐にながめてみると、とんでもなくアナーキーな格好が心に浮かんでしまいそうだけど、驚くなかれ、この全部が全部、バシッとハーモナイズしているのだ。
おまけに、歩く姿は急ぐでもなく、ダラダラするわけでもなく、「とても優雅に元気闊達」みたいな風情。「粋」が下駄はいて(カンカン帽もかぶって)歩いてる、てのはこういうことをいうのだなあと思った。
聖バレンタインや聖フランチェスコから遠く離れた私の日々は、こういう老年を目指して進んでいかねばならぬ。
2001.2.8 (Thu)
▼ コンサルタントになるからには [etc]
オフィスを持たないといけない。すごいでかいオフィスで、座ると一分後には眠りこけてしまうくらいの大きな黒革のチェアー。それに、大きな窓。仕事で壁にぶつかった時には外を眺め、そして静かにため息をつくのだ。
が、そんなオフィスが持てるくらいなら、ガス代や水道代をためたりするわけがない。
てなわけで、恵比寿のSOHO向けレンタルオフィスを見に行く。まずはカイからはじめるのですね。日比谷線直通の電車に乗れば、恵比寿はここから電車で一本。と、思いながら乗り込んだ電車が南北線直通だった。なんて間抜け。目黒で降りて、恵比寿まで歩く。
数ヶ月前に恵比寿のガーデンシティに来た時は、仕事で人とメシを食うのが目的だったから、あんまり町並みをじっくり見てる暇がなかった。だから、今日こうしてのんびりと歩いてみると、自分の記憶の中にある恵比寿とはまるっきり違っているんで驚いてしまう。ちなみに、私の記憶の中の恵比寿は、もう十年くらいアップデートされていないのだ。
ガーデンシティを抜けて、JR恵比寿駅に向かう坂道を降りたところにレンタルオフィスがあった。すごい狭い。窓もない。黒革のチェアー入れたら、その上に正座しないといけないんじゃないか?
「リアリティ・バイツ」だ。
とか何とか思いながら、じゃあ渋谷まで歩くか、と思って恵比寿駅の反対側に出ると、なんとそこは記憶の中の恵比寿そのまんまにザックバランな商店街が広がっている。銀座四丁目の交差点を渡って、和光の脇の道を入ったら、いきなりそこに新中野があるではないか!みたいな感じである。
なんだ、ちっとも変わってないところもあるじゃん。
と思った途端に、またしてもすっかり様変わりな町並みに突入。しかしすぐに勝手知ったる風な路地が現れて、でも、またまたガラッと風景が変わる。
てな調子で、渋谷は東急プラザ前の歩道橋を登る頃には、飛び地になって散らばった昔の時間を縫って歩いたような気になっている。歩道橋の階段を登りきると、まっすぐに差してくるまぶしい西日の中に、足早に行き過ぎていく人のシルエットがいっぱい見えた。
▼ コンサルティング料を [etc]
請求しようと思っていた友達からメールが転送されてきた。そこにはこんなことが書いてある:
「男であれ女であれ、涙を流すに値する人なんていない。仮にそんな人がいたとしても、その人が悲しませるようなことをするはずがないのだ。」
"No man/woman is worth your tears and the only one who is, will never make you cry."
これ、なかなかいいね。
コンサルティング料はこれでチャラにしてあげることに決めた。
2001.2.9 (Fri)
▼ 「こちらにどうぞ」[etc]
スターバックスで列に並んでいたら、となりのレジから呼ばれた。そっちに行くと、間髪入れずに「ショートドリンクですよね?お作りしておきました」と言って、本日のコーヒー・ショートサイズ・持ち帰りバージョンをスパッと出してきた。
262 円分だけ織田信長な気分。
2001.2.10 (Sat)
▼ 今日は [etc]
自由が丘でポットラックのパーティ。
若くて元気な人の集まりに混じるとすごい疲れる。この傾向は特に今年に入ってからますます強くなっているみたいで、今日はことさらにそんな気がした。
で、自分が飲みたいと思って持参したワインがいつの間にか消えている。ショック。が、誰かが持ってきてたタイ風の春雨サラダがすごくうまい。差し引きゼロ、ということにしておこう。
明日はトムに会わないといけない。寝よ。