更新日: 2003/10/09




2000.6.17 (Sat)

動物心理学会 [words]

2週間前の日曜日、学校の図書館に行ったら隣の校舎で動物心理学会が開かれていた。興味津々。「動物」+「心理」+「学会」という言葉の組合せがかもしだすパワーは、ずいぶん前に築地で見かけた「中央」+「すり身」+「研究所」に匹敵するものだ。しかも「第60回大会」である。さぞやいろんな動物の、いろんな心理を研究してきたに違いない。

しかし、論文第一稿の提出期限を2週間後に控えて、動物の心理に興味を抱いている場合ではないのだ。まことに残念。

それから2日後、電車に乗っていたら、動物心理学会関係者3人(男性2人、女性1人)が目の前に立っている。こちらはここぞとばかりに眠ろうとしているのに、目の前の3人がやたら大きな声でしゃべるのに閉口していたら、中の一人がチラッとその学会の話を口にした。またしても興味津々。

「ところで○○子ちゃんはどうしてるの?」ところが、もう一人の男性が話をそらしてしまう。○○子ちゃんは東大理学部の院にいて、いろんな人の血液を採取してDNAを分析してる。最近は、血液を採取するために、タイやマレーシアに頻繁に出かけてるらしい。

で、動物の心理はどうなったのだ?

「えらいもんだね〜、面白いじゃない。で、下の○○くんはどうしてるの?」今度は弟の方の近況報告がはじまる。下の○○くんは「すごいもんだね〜」と言われるようなことをしているんだが、それがどんなことだったか忘れてしまった。そんなことどうだっていいのだ。

「で、家の方はねえ...」げ、これから自分とこの話になるワケ?

「すごいもんだね〜」のおじさんは、自分とこの息子が建築を勉強した後しばらくプー太郎やって、河合塾で講師として働きはじめた後、同じく河合塾で働く女性と同棲をはじめ、子供ができて結婚したんだけど、その後、安藤忠雄の建築事務所にめでたく実力を認められて、建築家への道を歩みはじめた、というとっても予定調和的な話をし終わると、「お、もう中野ですね〜」と言うなり、3人そろって電車を降りてしまった。

私が知りたかったのは、子供を自慢する親の心理ではないのだ。



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