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そんな時に便利なサイトが

Jekai
http://www.jekai.org/

(たぶん)日英の翻訳家であるTom Gallyという人がはじめたサイト。外国の人が日本語の文章を英語に訳す時にひっかかりそうな言葉について、これを解説し、模範的な訳例を集められている。

ここに「厚底」がちゃんとエントリーされているのだ。この言葉は「very-thick-soled footwear」を指す、とある通り、「thickったって、並のthickじゃないのよ」というニュアンスを手短に伝えないといけない。

てなわけで、厚底ブーツ(サンダル)は、platform boots (sandals)と訳してある。

プラットホームである。これはもう下に「履く」ものではなく、上に「乗っかる」ものなのですね。「厚い」とか「すごく厚い」さえ超越しているのだ。進路がフラつくのも道理である。

が、プラットホームとなれば、列車を待ったり、海底油田を採掘するための足場だったり、その上で演説したりするものだったりするから、はたしてこれを「履いて歩いている」状況が想像してもらえるのか?という疑問が残る。何を隠そう、この言葉を解説したページにも、厚底サンダルを履いている写真が掲載されていたりして、ちょっと不安。

というわけで、エコノミストへの投書の際には、厚底ブーツ(サンダル)をplatform boots (sandals)と訳した上で、「厚底ブーツ(サンダル)の写真を掲載すること」という編集者もどきの注を加えないといけない。かくのごとく異文化コミュニケーションはムズカシイ。

厚底の靴は「ガングロや茶髪などの『世紀末(fin-de-siecle)』ファッションとの関連で語られる場合が多い」と、2000年の6月に書かれたJekaiページは解説しているけど、これも注として入れた方がいいのかなあ?


May 17, 2001

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