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Life is a walking shadow, a poor player who struts and frets his hour upon the stage, but then is heard no more...

マクベスの有名な台詞。「人生は歩く影法師、いや哀れな役者だ。人気のある間は舞台の上で威張りくさったり、じれ歩いたりしても、すぐに忘れられてしまうのだ(あやふやな記憶を頼りに書いてるから、ちょっと違うかもしれない)」てな具合に続く。

友達に誘われて、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの「マクベス」をグローブ座で観た。久しぶりにブリティッシュな英語をいっぱい聞いた。

「ロイヤル」・シェークスピア・カンパニーってくらいだから、この台詞もさぞや格調高く語られることだろうと思いきや、二十世紀初頭と思しき時代に設定を移し、アップテンポにぐいぐい進む演出で、台詞回しも普通の会話に近い。休憩をなくし、全編を二時間強の短い時間に収めたマクベスでは、この有名な台詞も「もうやんなちゃった」てな口調で語られるのだ。

しかし、なにしろマクベスである。かつては武勇の誉れ高く、人望の篤いマクベスが、着々と成就する魔女の予言に野心を突き動かされ、やがては暴君に変貌し、いつのまにか人民からの信任を失った上に、妻までを失ったとの報せに接して発せられる台詞だから、たとえ素っ気なさげに語られようとも、やはり感慨迫るものがある...

ハズだった。


(つづく)

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