12月の6・7日、ディズニーランドがある舞浜のシェラトンホテルで開かれた「ITフォーキャスト・セミナー2000」というのに行ってきた。
ITをフォーキャスト(予測)するセミナーってくらいだから、B2B(企業間)の電子取引が2005年までにこ〜んなすごい規模になるぞとか、どこにでもコンピュータがあるようになって、いつでも・どこでもネットワークに接続できるようになるぞ、といった系列のさまざまな話題が繰り広げられる。2日間こればっかしってのは、ちょっと飽きるぞ。
ところがその最中に、とんでもなく浮き世ばなれした話が出てきたんで驚いた。
ちょっと意訳だけど、その名も「ご家庭で簡単にETを探せますプロジェクト」。英語ではSETI@HOME (The Search for Extra Terrestrial Intelligence at Home) 。
SETI@HOME(日本語ページもあるのだ)
http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
カリフォルニア大学のバークレー校(超有名。60年代後半に「卒業」でダスティン・ホフマンがキャンパスを散歩してた大学)が音頭を取っているプロジェクトで、NASAが集めた膨大な信号データを解析し、この大宇宙に地球外生命体の発する信号の有無を調べることを目的としている。
で、何で「ご家庭で」なのか?
NASAが持つ宇宙空間全体の信号データってのはとにかくでっかいから、宇宙全体の信号データを解析しようとすれば、スーパーコンピュータがシャカリキになって計算しても何百年かかかってしまう。でも、別に1台で計算しないといけない道理はないわけよね。
というわけで、まずは宇宙全体の信号データを300KB(フロッピーディスクの約4分の1)の大きさに「みじん切り」にする。で、これをボランティアとして集まってきた世界中のコンピュータ・ユーザのところにインターネットで送る。
送付されたデータ+計算プログラムというのは、スクリーンセーバー(コンピュータを使っていない間にディスプレイに絵が出たりするでしょ。あれよ)の形で動く。つまり、ユーザがコンピュータを離れている間、当のコンピュータはみじん切りされた宇宙の信号データ解析をシャカリキになってやっているわけで、これが終了すると、解析したデータをインターネット経由で送り返すわけだ。
すでに世界から何十万人ものボランティアを募っていて、すでに宇宙の約5分の1のデータ解析が終わっている。
解析の終わってる部分のページ
http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
images/skymap_wugenerated.gif
これまでに解析の終わった部分(上のページで紫色に表示)には、地球外生命体の発する信号は確認されていないとのこと。有名どころで言えば、獅子座やふたご座、オリオン座にペガサス(って何座だっけ?)あたりには、ETはいなかった、ということになる。
いいねえ、こういうの。
壮大で、夢があって、それに参加することが誇らしく思えて、でも、すごく身近なところから始められる「何か」。
「IT」なんてことを言うと、難しいことを頑張って覚えるようなイメージが付いてまわるけど、「科学」とか「技術」とかいったものが持ってる本当のパワーって、こういう「ワクワク感」なんだよな、本当のところ。
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