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スーツな人にはすでに相当な距離感を感じてしまうものの、心情的にはクラシックコーナーがいちばん落ち着く。たしかにここで過ごす時間がいちばん長いのだ。ってことは、(異論のある人もいるだろうけど)私は「地味目の没個性派」あるいは「おとなし目」に属しているのである。

それが証拠に、フロアを降りるにつれて空気がグングン薄れていくような気がする。落ち着かないのだ。

J-POPのフロアでは、禁煙のフライトに6時間くらい乗ってるような気分になってしまう。「日本のインディーズ系」と「日本のクラブ系」という比較的マイナーなコーナーは、J-POPフロアの隅っこに位置してるんだけど、とても新宿な女の子がウワーッと集まるJ-POPのメインセクションに近付くにはかなりのパワーが必要で、ましてそこの試聴コーナーでアルバムをじっくり聴くなんて余裕はない。

そんなわけで、聴きたい聴きたいと思いながら、いまだにともさかりえの「少女ロボット」を最初から最後まで聴いたことがない。きっと、「20世紀にやり残したこと」のひとつになるんだろうなあ。

ま、さっさとCD買っちゃえばいいんだけど、「『誰も来ないことはわかっているけれど万一、人が集まれば嬉しい、ささやかな幸せ』ツアー」を企画する友人が、あえてチケットを何枚も買うように、まずは試聴コーナーで聴き倒してから買いたいのだ。

って、もうとっくの昔に試聴コーナーから消えてるんだよな、この曲。


December 1, 2000

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