ふだんは(たぶん)ミサをやったり、学会の時にはいちばん偉い人の講演をやったりする学校のホールから、重低音がドスドス響いてきた。
サークルだか何だかがイベントをやってるのだ。
ステンドグラスの向こうに「クラブ」が出現しているというだけで、かなり理解しがたい状況なんだけど、その時私は論文*の最終段階書き直し作業を一休みして、煙草を吸うべく図書館から出できたとこだから、一瞬何事が起きているのかワケが分からない。
* 社会的統制の手段となりうるある種の主観性を、労働行為の身体性と言説による現実の分節化を通じて内面化させていく運動として、1960年代の品質管理運動を分析できるのではないかという内容。(しかし日本語で書いてみると、実際に書いてることの100倍くらい難しく見えるなあ)
で、そのホールから出てきたと推測される、思い切り爆発した格好の学生を見たり、壁に貼られたポスターに目をやったりしてるうちに、ようやく目の前の状況がすこしずつクリアになってくる。
すかさず機関銃を取り出し、乱射しながら、サラリーマン金太郎の口調で「おまえら土日くらい勉強しろ〜っ!」と叫ぶ。
という幻覚が一瞬頭をよぎってしまった。この数週間はバーチャルな「引きこもり」に入っているから、いつこうした幻覚にリアリティを与えたくなるやも知れぬ。とはいえ、論文提出期限の10日後までに、このホールが再びクラブ化することはないから大丈夫か。
いや、待てよ。この種の幻覚にはけっこう頻繁に襲われていたりするぞ。
スターバックスで、自分の番がきてもまだ注文が決まらない人が目の前に立ってる時だ。もちろん、幻覚の中でやること・叫ぶ内容は、今日のやつよりもう少しマイルドだけど...
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