そういうわけで、ものすごい数の警官が一匹の犬を追いかけて川べりを走り回るシークエンスは、滑稽に見えるけど、実はすごく怖い。バタバタと走りまくる警官は、本当のところ、犬を追いかけているんじゃなくて、追いかけろと指令を受けたものを追いかけているだけの話で、これが人間であっても何ら事態は変わらないからだ。
何でこの映画があの時期の検閲をパスしたんだ?
この前、TSUTAYAであっさりこの謎が解けてしまった。「スケッチ・オブ・Peking」のビデオ・パッケージに、こんな説明が書かれていたのだ。
北京の下町、徳勝門分署を舞台に繰り広げられる警官の日常を描いた物語。「北京好日」の女流監督ニン・インが、北京に生きる人々の愛すべき可笑しさとそこに生きる人々をユーモアたっぷりに描く傑作。
それはないと思うぞ。
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