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小説「The Cider House Rules」を読んでいる。映画「サイダー・ハウス・ルール」を観るためには、先に小説を読んでおかないといけないのだ。
ジョン・アービングの小説はどれもこれもストーリーが錯綜しまくっているから、これを映画の2時間に収めるためには、大幅に簡略化する必要がある。それだけじゃない。ニューイングランドの雪景色が心象風景として映るように、(たぶん)小説にはないグラフィカルな操作も施してるに違いない。
それに、映画になると登場人物の名前のインパクトが薄れてしまう。「サイダー・ハウス」に限らず、アービングの小説に登場する人物は誰も彼も、そのエキセントリックな人となりが、そのまま名前のに反映されているから(ディケンズ!)、何度も目にする名前の文字面が、いろんな登場人物の言動と重なり合って、リフレインの効果を高める仕掛けになってる。これが映画では失われてしまうから、登場人物を描写する上で、きっと別の策を講じることになるだろう。
てなわけで、ずいぶん昔に読んだきりだから、小説の記憶が薄らいでしまった状態で映画を観てしまうと、小説とは大幅に違ったイメージが固定されてしまう恐れがある。
と、考えたところまでは、たいへん筋道が通っている。しかも、押入の隅にしまい込んでいた箱から「サイダー・ハウス」のペーパーバックをみごと発掘できたのは、実はけっこう奇跡的なことだったりもする。
が、読んでも読んでも終わらないのだ、この小説は。
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