Vol.9  失われたハイキング編

香港っていうと、華やかなネオン、そびえる摩天楼、そんなイメージしかないアナタ。
実は、香港の土地の約4割は山や、自然公園だったりします


香港でトレッキングデビューを思い立った私。
まずは、日本語のガイドブック「香港自然散策」を購入。この本は、尖沙咀のスターフェリー
乗り場にある、香港政府観光局で手に入る。80HK$。

しかし日本でやったことないものを、いきなり外国でやろうとするのはいかがなものか。
本には、「万一の場合に備えて、行き先と帰宅時間を誰かに告げておくこと」とあるけど、
万が一行方不明になっても、ここじゃ誰も探してくれない・・・。

手始めに、最も市街地に近く、最も人が多そうなビクトリアピークの裏側を選んだ。
ピークトラムで頂上まで登り、きらびやかなレストランや展望台をかわすと、地味ぃな木の看板が
見える。これが、ポクフーラム自然公園の入口だ。
一歩中に入ると、人の気配はまったくなし。
アスファルトの道路が、一路麓にむかって続いており、それがハンパじゃなく急な下り坂なので、
自然加速しないように注意して歩く。

しかし静かです。途中出会ったのは、デカイ犬を散歩させている白人の娘さんと、ひたすら同じ
場所でダッシュを繰り返す男の人だけ。
いつの間にか、蚊に刺されていた。私は久々のエサだったのだろう。

香港の人は、山歩きをしない
。それは、疲れるし、金にならないし、時間のムダだから。
地図をもらいにいった政府庁舎の係員の人にも、「山に何をしに行くのですか」と訊かれた。
確かに、余程ヒマじゃないと、行かないよね。

半分以上下ったところで、見晴台にでた。そこから、香港島の裏側が丸見えになる。
背後に山、眼下に貯水池、その向こうは海で、海と陸の間を埋めるように、高層マンションが建ち並ぶ。
香港という場所の面白さを凝縮しているような景色だった。

数日後、今度はもうちょっとワイルドな自然へトライしてみようと、地下鉄にのってツェンワンという駅まで
行ってみた。さらに、そこからバスで1時間ほどの場所が、トレッキングのスタート地点らしい。と聞いて、
あっさりあきらめ、 駅を一周して帰ってきた。

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