その一、トリの足

香港に来て初めて入った、ごくごく一般的な広東レストラン
白いテーブルクロスのかかった円卓に通され、漢字だけのメニューを渡される。
字は読めても、意味がぜんぜん解りましぇん(・_・、)
しかし、ここで「英語のメニューありますか」などと訊いてはナメられるので、努めてさりげなく、
「これ」と適当にメニューを指さした。
しばらくして、目の前に運ばれてきたのは、ニワトリの足だけが10数本盛られた皿だった。

それは、鳳爪という、鶏の足を辛子と油で炒めた、香港では非常にポピュラーな食べ物。
鳥類の足、大の苦手なんですけど・・・!セサミストリートのバードにすら怯えてる自分が
まさにその部分だけを集めた食べ物に出くわすとは;

店員の「ほんとにあなた、それが食べたかったの?」という疑いのまなざしを感じ、勇気を出して
1本目に食らいついた。
2本、 3本、・・・手も口も油でヌルヌルにしつつ、完食。
「勝った」
ひそかな満足感を胸に、店を出た。

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