KING3LDK氏とラテンラスカズ氏による対談形式コラム。ヒップホップカルチャーを掘り下げてます。


第十三回街角3K新聞

KING3LDK:
(以下3)
明けましておめでとうございます(と言う物の書いてるのは02’年末)。今回も中々更新出来無かったんですが、2002年は色々ありましたね、僕もオートロックからCDでアルバム出したり、結婚披露パーティーとかいろんな意味で新しい事をやった1年でしたが、カズ君の方も今年は色々あったでしょう? 何か得に今年引っ掛かった物とか事ありますか? 何でもいいけどね、僕も結構今年はあったよ。
ラテンラスカズ:
(以下ラ)
あっ3Kの結婚披露パーティーって今年だったっけ? 今年引っ掛かった物? 後半は岡村靖幸にはまってた。卓球とやったやつじゃなくて古いやつ。夏から始めた「東京フレッシュ」でもそんなのかけてた(笑い)「東京フレッシュ」はそんなのも可能なイベントなのだ。HIPHOPのイベントってラップとR&Bとかだけじゃん。
3: まぁね、今のHIPHOPはね…、それが面白いねんけどね、ある意味…お客さんも可愛い女の子多いし(笑)、最近ちょっと田舎臭い子も多いけど(笑)。そう言えば「東京フレッシュ」でアキトくんがボム・ザ・ベースの「ドント・メイク・ミー・ウェイト」かけてたのかなり印象的やったなぁ…。それを20代前半のいかにも専門学生風という男子が「これ誰っすか?」と聞いていたのも印象的でした(笑)。岡村靖幸に関しては以前エピック時代にレーベルメイトだったんですが、とにかく気色悪い印象しか無い(笑)。もしかしたらプリンスを意識してたのかもしれないんですが、それがまたちょこざくてネ、当時。なんかカズ君には悪いんですけど、最近「岡村靖幸再評価」っぽい記事よく見るんですけど、僕「バニラアイス再評価」位納得行かへんねんなぁー。ちなみに今岡村靖幸は吉本興業所属(苦笑)。
ラ: うん。っていうか岡村靖幸にしてもバニラアイスしても再評価じゃなくて、当時からそんなに嫌いじゃ無いんだけど。当時HIPHOPからしたら、岡村靖幸等がいた「パチパチ」とか敵だったんだけどね、今極端な話したらHIPHOPが敵みたいな所もあるから。海外のDJがそれまでダサイとされてたフュージョンを今良く無い?的なとこってオレ等日本でいったらそういう歌謡曲も当然入って来る訳で、洋楽なら可だけど邦楽はNGってノリがナンセンスかななんて、 そういうのもスマートにかけようぜみたいな。東京のアルティメイトブレイクスみたいなものが有っても良いわけじゃん。
3: そうやね、でも単純に音が細いねんなぁ〜、その頃の物って…、なんか高校生の頃とかって「音の太さ」とか具体的には分らなかった物の、なんかこう邦楽と洋楽の決定的な違いと言うのがこの「太さ」かなぁ…と今思うねんけど。あと声もそう。なんて言うか俺的に勝手な事をズバッと言わせてもらうと、尾崎豊ってなんか歌声キモイと思うねん。あとビジュアル系のロックも、なんで肝心なサビの部分で声ウラがえんねんみたいな…(笑)。もっとこう言うユースカルチャー系で言えば、プラスチックスの時の中西俊夫の歌はカッコイイけど、タイクーントッシュになった後…つまりラップし出した中西俊夫の声は中学生っぽくてちょっとなぁ〜みたいな(笑)。断然完ちゃんとかの方がカッコ良かった気が…。人の事言えへんねんけど、俺もファースト出した時「声が生々しい」とか言われたし(笑)。なんかクラブでダンスするって言う文化が中々浸透しないのはそう言うのもあるのかなぁ〜なんて。今でも場所によっては「オイッ!オイッ!オイッ!」とかHIPHOPのライブでも結局「タテノリ」で盛り上がってまうとか、まぁ楽しみ方は人それぞれなんやけど、そう言う盛り上がりをみせる場所ってその後のDJタイムがどうしても寒々になる、これが寂しいのよねー。
ラ: 「太さ」みたいな価値観の音楽ばかり聞いていたから、対極の「繊細」な感じなのかも。俺はそんな感じだから、最近他には良かったものといえばマリンの「love beat」と3kに誘われていったbape heads showで観たコーネリアスのライブ。
3: コーネリアスは衝撃的だった、CDだけ聴いたらちょっと分らない部分も有ると思うけど、このライブは良かった。今年…いやここ2〜3年で1番良いライブだったかもね。映像と音がリンクするライブって中々なかったもんね。とにかく僕も太いと言うのにそんなに重きを置いてるのじゃ無くて、聴いたりライブ見た結果がカッコ良かったらそれはそれで良いねんけど…。一時期はHIPHOP以外の方がインスピレーション受ける事が多かったけど、最近は古今東西HIPHOPの方がインスピレーション受ける機会が多いかなぁ…。と言うのもやっぱりあんな変なバランスの音楽ってこの世に無いよ。ドラムばっかり音大きくて、特殊なヤツに至ってはドラム歪んだままCD化されてるもん。なんかそう言う古い言葉を使えば「ローファイ」な物が今年は僕のマイブームでした。
ラ: 俺はどちらかと言うと「ハイファイ」だったかも、それとHIPHOPにオールドスクール、ニュースクールが有る様にエディットにもニュースクールというかニューウエイブがあってラテンラスカルズ時代がテープをエディットしていたのに対しコンピュータの波形ソフトでに編集するスタイルで面白いものが結構あった。その手法自体は新しくは無いんだけど、おそらく作者が大嫌いな素材を選んでて、もうこれが痛快な悪のり。そんな事もあり今年は嫌いだからこそ買ったレコードもあった。次のミックステープはそんなのも紹介するつもり。
3: す、凄いね…ひねってると言うか、もうねじってるね(笑)。でも僕も最近「ブルーオイスター」って言う結構オルタナティブなテープだしたんやけど、それはハウスとかブレイクビーツとかそう言うジャンルの物ばっかりで、実は何でそう言うテープ出したかと言うと、僕ハウスとかエレクトロニカとか何かそうジャンルって何回聴いてもジャンルごと好きになれなくて…。でも長くやってればそう言うジャンルの中でも「おっ!カッコイイ」というのは有るのよ。そうやって10年くらいやってるとHIPHOP以外でもイイ曲ぐらい分るんじゃ!ってね、何か今「ハウスとかインスト物はカッコイイけどね…、ラップはねぇ…」って言う風潮があるでしょ? 俺HIPHOPしか聴かないイメージやけど「そんなもん、お前らが小学校行ってる時ぐらいからDJやっとんねん! HIPHOP以外なんか10年前のオルタナティブな時代に通ってるわ!!」みたいな(笑)。ウ〜ン…今やHIPHOP以外のダンスミュージックなんか常識って言う事かな。
ラ: つうかそれこそHIPHOPなんじゃないの。一歩上のというか、ラップだけがHIPHOPだけじゃないし。まHIPHOPの定義は人それぞれだから、それHIPHOPなの?って事になるのはめんどくさいから、あえてというか来年はなるべく HIPHOPという言葉は使うのやめようかと…。
3: カズ君はそう言う風なのがイイかもね、実際エディットスタイルってオールジャンル行けるし、当時は先進的だったHIPHOPがその手法に飛びついただけやもん。むしろエディットスタイルって言う事をやってる人として、エンジニアとかそう言う方向に行くのが面白いかもね。HIPHOPって言うジャンルがある意味ポップスでこう言う形態で立ち位置を完成しつつあるから、カズ君とかも「俺のがHIPHOPです」って言うか「音楽家です」って言うのは?(笑)。
ラ: 例えば15年ぐらい前ってDJといったら、世間のイメージはラジオのパーソナリティというぐらいの認知が、今やその頃とはすっかりとって変ってDJといったらクラブのそれに(しかも肩に耳を付けるゼスチャー付きで。)なってきたように、俺の場合エディターといったら、あっ、雑誌関係の方ですか?みたいな…。
3: そうそう、俺具体的にDJって言われたんイツからかなぁ…、でも昔はそうやったね、あとDJって恥ずかしく無い?今どき(笑)。もぅみんなDJ出来るやんDJ位、何かDJ最近安いもんドン・キホーテっぽい、ドンキの3Fとかナカヌキヤの2Fで「DJフロアー」とかありそうやもん、結構前から俺DJもう抜いたもん「DJ KING3LDK」とか「DJ 3K」とか止めた(笑)。
ラ: (笑)ありそう。なんか〜選手みたいで。まあ肩書きは後でくっついて来る訳だから、どうでもいいんだけど。音楽好きなやつだったらDJくらい誰でもやる御時世だし。あと「ヴァイブス」とかあんまり使うな気持ち悪い。一体おれは誰に対して言ってんのか?でも無理にアメリカナイズすると気持ち悪い。
3: 何て言うのかなぁ、東京って「田舎モンの脳みその中」って思うのよ、脳みそをひっくり返した街とでも言おうか…。何か「ヴァイブス」とか自然に使って支障の無いライフスタイル? そう言うスタイルに猛烈に憧れるのは良いのよねぇ…だってオシャレやもん。そんで聴く音楽や感化される物がコロコロ変っても良いのよ、でもね! 家に帰れば4畳半の畳敷きの臭い部屋で生活してる丸出しの日本人男性(または女性)である事を忘れないで欲しいのよね(笑)。ルノアールで良いのに、わざわざスターバックスでコーヒー並んで買っても、会社にわざわざ自転車乗って行っても、日本人にはちょっと酸っぱめなイタリアン喰って「これ美味しいー」とか言っても。家では白飯にゴマかけて喰う自分がいる事を脳みそにタトゥーしておいて欲しいのよ!!!!
ラ: 俺も言ってみれば俺がやってるEDITなんていうのはまさにカフェバーみたいなHIPHOPだ。田舎モンだから都会のなかでもよりアーバンなものにひかれるのよ。何が「シリアル」だ「コーンフレーク」って言え!。みたいな。あと何がペリエだ。
3: もっと言ったら「コーンフレーク」じゃ無く「ケロッグ」じゃ!みたいな(笑) 結局こう言う業界ってコンプレックスの固まりで出来てるねん。そのコンプレックスはみんな持ってて、俺等何かもそのコンプレックスの固まりなんやけど、オシャレな生活してもそのコンプレックス時代を忘れたら面白い物作られへんと思うねん。そこでズル剥けて初めてオリジナルの何かが出来ると思うねんけど…。何て言うのかな「芸の肥」って言うのかな…、今ある生活はそう言うドン臭い自分があっての今…何か難しくなってきたなぁ〜、今回はこの辺で終っとこかな、とにかく今年も飛ばします!よろしくっ!!(爆笑)。
<ラテンラスカズ インフォメーション>2/22 「ブラック ユーモア ミュージック」¥1500(税込)3/20 恵比寿みるく「東京フレッシュ」3/25 アブノーマルイエローバンド リミックス(12INCH アナログ)デリックレコードよりリリース近日発売 KAZ SLIM (FORCE OF NATURE)のMIX CD「ELECTRO BINOCULARS」のEDIT 杉作LL COOL J太郎のミニアルバム(Pヴァインよりリリース予定)製作中!