KING3LDK氏とラテンラスカズ氏による対談形式コラム。ヒップホップカルチャーを掘り下げてます。


第八回

KING3LDK:
(以下3)
「ギャッハッハッハ!、意味無くおお笑いからスタートしました今 回の『ディープトウキョウ伝説』なんですが、この間『東京ビートバップ』のメガミックスをお願いしたんですが、その後どんな感じでしょう?カズくん。とまぁ催促のメールみたいなんですが、そう言えばこの間新宿のモンドビデオ屋で、『業界くん物語』をゲットした、これは知ってる人は知ってると思うけど、『サムライフィクション』やスチャダラパーの『彼方からの手紙』のPVでもお馴染み、中野裕之さんが監督の文字通り名作です、因に¥3800と微妙に高かった。」
ラテンラスカズ:
(以下ラ)
「なんで笑ってんの?…まあいいや。『東京ビートバップ』のメガミックスは出来次第、僕のイベントでもかけると思うのでよろしく。あれって聴いてみて初めて気が付いたんだけどROBO宙君もラップしてたのね。」
3: 「そうそう、久々…、面白いでしょ?まだ他にも色々考えてるよ、今回は僕も割とラップしよーと思ってるからね、ウマイとかヘタとか関係なく、って関係ないのもアカンけど…。で、そう『業界クン物語』よ、話しは…。いとうせいこう&タイニーパンクスの『マネー』もこれで初めて聴いて感動したネ、俺は、マジで!。16〜17才の多感な時期にこれ見てネー、いとうせいこうのグッチのロンティーがカッコ良くてネー…、バックはヤン富田&DUBMASTER Xのセットが並んでて、いとうせいこうのライブ見にいったらまんまそれで…あの「アストロノーツ・ツアー」かなんか言うファーストの時の、くぅぅ〜思いだすなぁ〜(泣)」
ラ: 「あ『業界クン物語』ね。俺ら違いの解るオールドスクール世代のバイブルだな。俺もビデオ、サントラ共に勿論持ってるけど、サントラはすんげー探して、大枚はたいて買ったよ。今の子にはこの『業界クン』っていうなんとも言えないニュアンスわかるかなー?いわゆるカタカナ職業全般(スタイリスト、コピーライター、モデル 、等)を指すんだけど、当時85〜88年あたりっていったら、あなたバブル真っただ中で、そりゃ着てるものから、遊び方までそりゃバブリーなわけ。そんな時代の花形職業が『DJ』。ここでいうDJっていうのはそれまでは、箱お抱えの専属のDJ。いわゆるハウスDJが主流だったのに対し。スクラッチの登場と共にDJがタレントっぽくなってきてて、今や普通だけど、フリーでもって、いろんなお店で回すフリーランスDJってのがでて来た。まあディスコからクラブっていう呼び方に変わっていった。そんなHIPHOPだのレアグルーブなんかがかかるお洒落なクラブで夜な夜な遊ぶのが、この『業界クン』達のステイタスだったわけ。」
3: 「そうそう!、言ってやったネ、バッシィッと!、最近は減ったモノの一時期「DJやってます」とか言うヘタレが多かった、この85〜88あたりは「DJ」なんて、今で言う(?)画家みたいな感じで、むしろ「DJさま」みたいな所もあった。この頃はヒップホップと言えばおしゃれな人全員聴いてたなぁ、今で言うとジャンル何かな…?」
ラ: 「うーん、なんだろうね。エレクトロだったり、テープエディットものなんじゃない。なーんつって。でも、カタカナ職業って事での『業界』は勿論今も有るわけで、あくまでイメージでしかないんだけど、今より幾分、派手というか奇抜なイメージが有った。今のいわゆる、業界人って格好だけ見たら普通の人とさほど差がないし。というか普通の人もお洒落になってきたって事か。あと、こんな話してて思ったんだけど、いわゆる裏原ファッション。例えば最近、あんまり詳しくないんだけど、唯一グッドイナフとかエイプとかって業界人の制服みたいなイメージが有るんだけど。」
3: 「最近はその辺もビミョーな所なんですけど、あの当時のイケてた『業界人』が参加してるムーブメントだからじゃ無いかなぁ…、こう書くとホントビミョーなんですけど、まぁその手のファッションの老舗的なイメージが有るのは確かやね。でも最近とんとファッション誌見て無くて、この間ナオヒロックの所(ビバーク事務所)でその手の雑誌ざっくり一通り見たんよ、ほんなら「国産ストリートブランド多っ!」言うて…、飽和状態、もう若い世代はお客の方がどんどん「選ぶ」時代になってる、その『業界くん…』の時代はむしろ発信側が客を選んでた感があったけどネ、今は良い意味でも悪い意味でも逆、難しいね…渋谷なんかにいるとよくそう言う事感じるでしょ?」
ラ: 「本当にそうだね、昔は発信側が客を選んでた。それで客は選ばれるようにがんばってた。」
3: 「そう、で、その頃はTV番組でも、深夜なんかになると、結構その手の番組がやってたモンで例えば「AVガーデン」なんてのもそう言う種類で、細野(YMO)なんかが「あっ…それって…なんだっけ…………?」みたいな感じの棒読みスタイルで、番組中もシーンとみんな黙ってしもたり、今考えたら「なんじゃい!それ!」みたいな…(笑)、幸田マヤコとか戸川純とかが出てたなぁ。あとは竹中直人の「独り芸」みたいのにもハマりまくった、とにかくハマった「おぅ(ガクッとうなだれて)!!ぷるぷるって言うてみぃ…?」とかほぼ意味不明のギャグ、そう言えば『業界クン〜』にもバカ拳と言うミニコントで高木完ちゃんと出てた、竹中のあのぼけ〜っとした顔は芸術的でした。」
ラ: 「これ、俺らは『業界クン』見てるから、そうそうとか言えるけど…まあ、ここまで読んでるって人は興味が有るって事だな。話を戻すとあの辺の笑いの感覚こそ、それこそ良い意味、力が抜けてて、他のお洒落な部分とバランスがとれてたというか、例えばYMOのアルバムの曲と曲の間にスネークマンショーだったりSET(注1)のギャグがはいってたりっていうのは、今の俺のルーツなのかも、今のヒップホップって力入り過ぎじゃない?オモシロとシリアスのバランスは大切だね、あと面白過ぎても駄目だし。たまにはシュールなやつとか、ブラックジョークもいいけど、でもこの前久々にスネークマンショー(注2)の『戦争反対』の愛の戦場聴いてたらちょっと笑えなかった、タイムリーで…SPECTATOR(注3)のBOOのコスプレは見た?」
3: 「見た見た(笑)、オサマブーラディン、上手い事言うよね(笑)。まぁこの話題には関係無いけど、『戦争反対』の話しも出て…、僕あんまり軽く『反戦』とかこういう場で言いたく無かったんで、あえて色んな書き込みや意見が有る中一言も書かなかったんですけど、なんか僕ら普段ちゃらけてる人間がこんな機会に『反戦』とか言うと、なんか祭り気分で言ってると思われるの嫌で勿論そうで無い人も居るけど…、感心は人一倍有るんですよ僕、多分普段会社務めしてる人よりテレビも見るし、そう言う話しも前からよく雑誌とかみたりしてたから…、でもあぁ言う問題は物凄い難しいんでね、元の元を辿ればニホンも関係無く無いしネ…、でも『反戦』も言い方次第でちょっとした政治思想でしょ、70年代みたいに情報がストレートに届く時代じゃ無いからね今は、ホント僕らも含めやけど雑誌やメディア関係の人は注意して情報を流さ無いとネ、今はちょっと『受け手自身に考えさせる情報』と言うよりも、『反戦運動』だけが情報として流れ過ぎかなぁみたいな、アートや音楽なんかを通じてそう言う事に感心を持つのは最高に良いけど、『反戦運動』自体がカッコイイ行為になっては意味が無いよね…なぁ〜んてな説教臭いのはさておき、あの頃のスネークマンショウは僕も大好き、ザナンバーワンバンドなんてのもあったよねぇ?「…だぁ〜れ?、ここは警察じゃ無いよぉ〜」とか。」
ラ: 「戦争の話になると長くなっちゃうから割愛するけど、無関係の人が死んでいくのは、誰が考えてもおかしい。話が脱線してきたけど、脱線ついでにいうと、日本は平和だけど、ある意味俺はいつでも戦っている、っていうののは、この前、出勤しようといつものようにDMRの前を通り掛かった時普段と何か違う事に気付いた、それはその前の日まで何もなかった電柱にJBLのスピーカーが取り付けられ、そのスピーカーの下にはミーシャの新譜の広告が飾られ、そのミーシャの新曲が掛かってた、DMRの前だけじゃないセンター街のいたるところ何処でも鳴ってる。ダサい大人が渋谷をこれまたクソダサいディズニーランドにでもしようと企んでいるんだろうか…おっさんどもの澁谷の若者のイメージってあんなもんなんだろう。俺は澁谷のでも、若者でもないが、あんなクソドモのセンスでまとめられてたまるか、渋谷だけじゃない、雑誌もテレビもステレオタイプばっかりだ。おれは常にああいうクソダサいセンスのバカ大人どもと戦っているつもりだ。DJや俺がつくる作品は彼奴へのテロだ!徹底的に戦ってやろうじゃないか。BEATでよ。俺は軍人だ。俺のEDITはそういった考えの元にシークエンサーのなかで今日も刃を研いでおりまちゅ。あっそうそう、スネークマンショーね、コントのレコードではなくて音楽があくまでメインなんだけどコントみたいのが入っててメインの音楽が引き立つって仕組み。ウイットというかチャーミングだね。あっチャーミングで思い出したけど、イルセントリックファンクの直後ぐらいにヤン富田さんと食事をした時に『チャーミングなところをもちつづけてがんばってほしい』って事を言われた事があった。そう、目指すのはチャーミングな軍人。」
3: 「本当に涙の出る様な返答!正にその通り!、僕も音楽活動をやってる訳ですけども、たまに「心」が折れそうになる、ヒップホップやR&Bが売れると言っても、ヒットチャートに出るのは今も「ヒップホップを経由したポップス」でしか無いんですね、一言でそれが「ダメ」とは言わ無いし、中には僕も結構好きな曲やグループも居るんで、面白くなっては来てると言う事なんですが、何せオートロックなんて小さいし、変に抵抗勢力的な動きも取るし各メーカー何かの風当たりも厳しい、せっかくレコーディングしても話しが進まなかったり…極真空手では身体が折れても「心」が折れなければ先に進める、と言う精神が有ると聞いたんですけど、本当にそんな感じでやらんとネ…エキサイトしたけど今回はこの辺で…次回もこんな感じで続行してみよう!、と言う事で今回はこの辺でっシーヤッ!。 」