4,カラオケサバイバル
香港には、日本語の歌も唄えるカラオケBIG ECHO(香港人が言うと「ベコー」に聞こえる)が
いくつかある。 今やカラオケは二次会などの定番。しかし、日本とはかなり流儀が違っている。
私が初めて、Mayとカラオケに行った時の衝撃を少し書いておこう。
とりあえず選曲は、メインモニターの下にある小さい画面を見ながら、リモコンでピピピッと予約。
1人であっという間に4曲くらい入れます。
画面には、「台湾・香港・大陸」と地域が選べるようになっていて、さらに「男歌星・女歌星」
から好きな歌手を選ぶと、その歌手の曲名リストが顔写真とともにでてくる。
そして1人が何曲続けて唄ったって気にはしない。
だいたい機械の設定が、予約した順ではなく、ランダムに曲を流すため、うっかりトイレにもいけず。
また、唄っている本人が気持ち良ければそれでいいので、場を盛り上げるための拍手・鳴り物
などは一切不要。他人の歌を聴いてるフリなどせずに、曲選びに集中できる。
しかし、浜崎あゆみとかPUFFYとか、思った以上に浸透しているなあ。もはや日本の流行文化で、
香港に輸入されていないものってほとんどない感じ。キティ、プリクラ、雑誌、お菓子、飲み物、
マンガ、アニメ、渋谷と原宿がまんま引っ越してきたみたいだ。
日本だけじゃなくて、台湾やシンガポールなど、アジアの他国との結びつきも強い。
例えばカラオケで、広東語の曲を唄っているけどこの人は台湾人よ、とか、この歌手はシンガポール
で先に売れて香港に戻ってきた、とか、知り合いのことのように話す。
確かに、新聞の芸能ニュースに「雛形あきこが不倫!」とか書いてあるし、日常生活の中で自然と、
他国の情報を芸能レベルまで知ってしまえる、ということはある。
さらに、世界中に散らばる華僑を親兄弟にもっていたら、他国の情報に敏感なのは当然ってことか。
いままで、日本のニュースすらろくに知らず、ましてや外国で何がどうした、なんでまるで興味のなか
った自分が、香港に来たことでほんの少し、アジアのことを知った。